今では一人暮らしをして
料理、洗濯、掃除、片付け
役所の申請などの手続き全般、通院
といったように全て一人でこなしていますが
当然はじめから出来たわけではありません。
当初はできないことばかりで
だらしのない毎日を過ごしていたこともあります。
そこで当ページでは、車いす生活になった頃から
全て一人でできるようになるまで
どういった経緯を辿ってきたかについてお伝えしていきます。
今の生活を改善させたい!
これから自立をしていきたい!という場合には
少しでも参考になるかも知れません。
11か月の入院生活後に実家に戻ってからは
ほとんど何もできませんでした。
床に降りることもできなかったので
お風呂にも入れませんでしたし
トイレに入る事もできず
しかもポータブルトイレの存在を知らなかったので
大をする時には親に頼んで便座へ移乗させてもらってました。
はっきり覚えていませんが、この期間は1年近くあったと思います。
初めのころはまだまだ指の力も弱くて
浣腸液を一人でいれることが出来ずに
それも手伝ってもらっていました。
移乗の際の、親への腰の負担や精神的な負担もあり
本当に助けてもらったと感謝の気持ちでいっぱいです。
その後、ポータブルトイレの存在を知って購入してからは
自分でするようになったので、これで1つ出来ることが増えました。
親へ辛く当たることもなくなり、申し訳ない気持ちが解消されたり
自分一人で好きな時間にトイレをできるのが本当に嬉しかったです。
当時は車いすから床へ降りるという考えがなかったため
まだ一人でお風呂に入ることができませんでした。
ですので当時は訪問入浴サービスを
一週間に一回か、二週間に一回のペースで利用しています。
ただ、当時から腕力はあったので
自分で体を洗えるのに、どうして人に洗ってもらってるんだろうという
違和感が強かったです。
そういった違和感がきっかけで
自分一人でお風呂場へ行ってシャワーを浴びることはできないのか?!
と考えるようになりました。
そして、床に降りさえすれば問題なくシャワーを浴びることができる!
という考えに辿り着いたので
その後は、床に降りたり、床から車いすへ上がれるように
しょっちゅう練習していた記憶があります。
当時は、床から車いすに上がる!という選択肢しかなかったので
気づいていませんでしたが
床から車いすに上がるには、脇にテーブルやベッドがあれば
片方の手をベッドなどにおいて
もう片方で車いすを支えるという形でわずかな力であがれるので
これから床へ降りたり、床からあがったりを試す際には
是非、取り入れてみてくださいね。
ベッドやテーブルの高さは
床に座っている状態で肩くらいの高さや
車いすのシートよりも少し高いくらいだと上がりやすいです。
あまりにも高さがあると肩に負担がかかり
痛めてしまう可能性があるので気を付けてください。
床から車いすに直接上がろうとするよりも
かなり楽にできるのでやってみてください。
こんな感じで、床に降りたり床から上がったりできるようになってからは
一人でシャワーを浴びられるようにになったので
また一つできることが増えて、かなり嬉しかったことを覚えています。
頼むというのは精神的に負担になってくるので
一人で出来るようになるというのは
本当に気持ちが楽ですし嬉しいことですよね。
当時はまだ車を所有していなかったので
外出も一人でするのが困難でした。
シャワーの時にもお伝えしましたが
やはり誰かに頼まないと出来ないというのは
精神的な負担がありストレスになっていました。
通院は数か月に一度だけ下剤や浣腸液を貰いにいくだけだったので
その時だけ親に頼んで通院していました。
数か月に一度だけでも、頼みづらいというか
申し訳ないというか、気を遣っていた記憶があります。
外出したい場合、友達と会いたい場合は
さらに頼みづらかったので、ほとんど家にきてもらう形が多かったです。
友達と会うためにデパート等に連れて行ってもらっても
長時間はいられなかったので
1~2時間だけ会っていた記憶があります。
今はもう一人で好きな時に外出できるようになったので
こうして一人で出かけられるというのは
本当に有難いこと、素晴らしい事なんだなって身に沁みます。
あと、他に外出する手段としては
タクシーを利用していたこともあります。
タクシー券を支給されていた時期もあるので
それを利用して、最寄りの駅で待ち合わせをして
そこからタクシーで少しだけ移動して遊んでいた事もあります。
まだ仕事をしていなかった頃は
のんびりテレビや映画を観たり、音楽を聴いたり
ゲームをしたり、パソコンをして過ごしていました。
まだまだ生活のリズムがついていなくて
夜更かしをしたりすることも多く
メリハリのない生活が長く続きました。
今後、いつかは仕事をしなきゃいけないと漠然と考えてはいましたが
生活への大きな目標もなくなんとなく毎日が過ぎていました。
今思うとすごく時間を無駄にしてしまったと思いますが
当時はそういった選択肢しかなかったのだと感じます。
そしてそんな生活を大きく変えるきっかけとなったのは
やはり恋愛でした。
女性とお付き合いを意識すると
やはり仕事をしていないと恥ずかしいと思う気持ちがありましたし
いつまでもダラダラした生活を続けるわけにはいかないという思いもあり
少しずつパソコンの勉強を開始したり
スローペースではありましたが社会復帰へ向けて動き出しました。
今思えば、恋愛をすることが
生活スタイルを変える大きなきっかけになったなと感じます。
人によって、その動機がスポーツだったり勉強だったり
家族への思いだつたりそれぞれだと思います。
やる気が沸いてこないとなかなか動き出そう!という気持ちにならないので
そういう気持ちになるまでは、いろいろなことをじっくり考えてみるのもいいですし
のんびり過ごすのも良いと思います。
読書をして刺激を与えてみるのもいいですし
いろいろな人と会話を重ねる中で
何かきっかけがみつかるかも知れません。
映画やドキュメンタリー番組をみることで
気づきを得られる可能性もありますし
自己啓発の音声を聴いたり、そういったセミナーに参加してみるのもいいですよね。
のんびり考えてみたり、がむしゃらに色々挑戦してみたりする中で
感情が動き出す時がでてきます。
そうなったら動き出せばいいと思います。
社会復帰するスピードは
早い人なら1年未満だと思いますし
少し時間がかかれば数年、5年、10年とかかるかもしれません。
私の場合は退院から5~6年かかりました。
みんなそれぞれ違うので
もし時間がかかったとしても他人と比べて必要以上に落ち込むこともないですし
一つずつ着実にスタートしていけば大丈夫です!